火にあたろ。

火を眺めながら、ゆったり過ごす日々の徒然。料理、本、映画をそえて

三内丸山遺跡

週末、青森市三内にある「三内丸山遺跡」に行ってきました。

江戸時代から知られる遺跡ですが、平成4年の調査で

縄文時代前期~中期(5,500年前~4000年前)の大規模な集落跡が見つかりました。

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これまで何度か足を運んだことはあるのですが、冬は初めて。

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雪に埋もれて遺跡は見られないのかなぁと思っていましたが、

雪に埋もれていましたが、ちゃんと見られました。

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大型掘立柱建物(おおがたほったてばしらたてもの)

直径1メートルの栗の柱6本で建てられていたそうです。当時の人は、どうやって建てたんだか…

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大きさがわかりにくいと思うので、息子とツーショット

結構大きな建物。「もののけ姫」の最初のシーンに出てきた物見やぐらのよう。

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掘立柱建物跡(ほったてばしらたてものあと)

地面に穴を掘り、柱を立てた建物跡で、高床式だったようです。

集落の中央部分でまとまって見つかったことから、

物置のようなものだったと考えられています。

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おいおい、ほんとにこんな竪穴式住居で冬を越したんでしょうか?縄文人。

当時は今より温暖だったようですが、それにしても…。ほぼ、かまくらですね。

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縄文時代というと、食料は狩猟と採集し、移動しながらその日暮らし、と教科書で習ったような気がします。

しかし、三内丸山では、栗やトチノミ、オニグルミ、ヒョウタの殻や種が大量に出土しており、

栽培していたのではと考えられているそうです。千年以上も定住しているわけですから、

あながち間違いではないのかも。この画像は、北盛土(きたもりど)。土器や石器が捨てられた場所。

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そして、新潟県や北海道とも交易していたらしい。下のヒスイは新潟県糸魚川産。

北海道産の黒曜石も出土しています。縄文人、おしゃれです。

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耳に穴をあけ、ピアスだってしてました。耳、痛そう。

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いろんな形の石器、ギザギザ。右の奴は、くまっぽい。縄文人、遊び心アリ。

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漆塗り土器。

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動物の骨製の釣り針。サメ、クジラ、タイなどの骨が出ています。

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子供のお墓。土器に入れて埋葬されたそうです。800基以上見つかっています。

我が子を慈しみ、死を悲しむ。縄文人の想いが伝わってくるようです。

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大人の墓は、道路を挟んで向かい合うように配置され、500基見つかっています。

古墳のさきがけでしょうか。

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我が子も思った以上に楽しかったらしく、

体験コーナーで勾玉づくりにも挑戦!

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霊験あらたかそうな勾玉、できました!息子は今朝も勾玉、磨いてました~

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妻は、家に帰ったあと、木のブロックで大型掘立柱を再現。縄文の風が吹いています。

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ヒスイやピアスで身を飾り、土偶で無事な出産を祝い、栗やヒョウタンを栽培し、

身近な人の死を悲しんだ…はるか遠い人だと思っていた縄文人が、

我々と変わらぬ喜怒哀楽をまとった人間として少し身近に感じられた一日でした。

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  まほろばの はるけき道を 闊歩する

  縄文の 子らの墳墓に 手を合わせ