黄昏の庭先をさまよう~禁断のマクドナルド~
隣の実家の庭先は、只今、花真っ盛り。
例によって植えたのか勝手に咲いているのかわからない花々。
黄昏時の光を浴びてどこか神々しささえ感じる。
可憐に咲く花々から庭先に目を転じると…マクドナルドのイスだ。
うちの両親が寄り付かない店の一つにマクドナルドがある。
しかし、なぜか庭先にはマクドナルドのイス2脚が堂々と幅を利かせているのだ。
そして、イスの前に靴。父のものに違いない。なぜここで脱ぎ捨てられているのか。
しかも、無造作…
家の周りももちろん雑多なものがのびのびと放置されている。
この無造作、テキトーさ、不完璧さ…実は、嫌いじゃない。
それどころか、どこか、あこがれさえある。
自分には到底まねはできないし、したくもないのだが…。
人目をものともしないフリーダムな空間に魅力を感じてしまう。
というより、単に面白いのか。
まだある。
風除室だ。北国の一軒家にはたいてい風除室がある。雪対策である。
そっとのぞいてみよう。
煙草のみの父親にとって、この玄関先の小部屋は喫煙室でもある。
(なので、訪問者は自動的に受動喫煙となる)
グリーンと吸い殻の共存だ。
ナチュラル派の方々が顔をしかめる図が見える。
まるで、煙草の煙を小鉢の緑で浄化しようとでも考えているかのようだ。
手入れの生き届いた立派な庭先は、この付近にもたくさんあるのです。
けれど、我が一族へのひいき目に過ぎないのかもしれませんが、
自分はこの隙だらけの庭先に、一種の愛おしさを感じてしまうのであります。
(決して真似はしないが)
みなさん、この感じ、わかっていただけますか?