退廃の火~映画「ブレードランナー」~
映画「ブレードランナー」が好きだ。
ときどき無性に観たくなる。
カルトSFの金字塔のように言われているが…、まあその通りだと思う。
まっとうなSF映画の路線からは正反対にある映画だ。宇宙人らしい宇宙人も宇宙船らしい宇宙船も出てきません。
ストーリーは、
2020年のロサンゼルス。惑星で労働させられていたレプリカントという人造人間が地球に逃げ込んでくる。そのため、ハリソン・フォード扮する専任捜査官のデッカードが「処刑」していく。でも、人に造られたというだけで、一人ひとり性格も異なり、感情もあるレプリカントとの関わりの中で、自分のやっている行いに疑問を持ち始める…
とまあ、こんな感じです。
ストーリーもさることながら、この映画を普及のものにしたのは、時代設定や環境設定の作りこみでしょうね。
僕が魅せられてやまないのは、映画を通底する「暗さ」です。
地球環境の悪化により大半の人々は宇宙に移住しており、地球に残っている人は「居残り感」があり、鬱屈している。まずはその「暗さ」。
そして、ほぼ全シーンが夜。よく見えない。何だかよくわからない。その「暗さ」。
さらには、街全体が猥雑で混沌としたアジア的雰囲気に包まれている、その「暗さ」。
その映画を貫く「暗さ」が完ぺきなのです。
一番最初のシーン、これがまたいい。
くらーいロサンゼルスの高層ビル群が映し出され、ところどころで赤い炎がボッボと燃え上っている。バックには日本の謡曲?のような歌が妖しげに流れ、ビルの大画面に「強力わかもと」の宣伝が映し出される…
これってこの映画の全てを体現する象徴的なシーンなのであります。
興味を持った方はぜひご覧あれ。
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